出産した後のホルモンバランスの乱れは、産後の肌荒れや抜け毛を引き起こす原因となり、放置しておくとそれらに長期間の悩まされる可能性があります。
ただ、「ホルモンバランス」という見えない原因は、どのように対処すればいいのかわからない方が多いようです。
しかし、ホルモンバランスを整える方法は存在し、正しいケアを行えば、産後1年もかからずにホルモンバランスは正常に戻ります。
そこで、この記事では、産後のホルモンバランスが乱れる原因や引き起こす症状などを紹介し、これらを未然に防ぐために実践できる「ホルモンバランスの整え方」を紹介します。

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産後のホルモンバランスを整える5つの方法
ここでは、日々の生活で簡単にできるホルモンバランスを整える方法を5つご紹介します。ムリのない範囲で実践してみてください。
栄養バランスがとれた食事を摂ること
栄養のある食事をとることは、ホルモンバランスを整え、良質な母乳をつくり、美肌のためにも重要です。
とくに女性ホルモンを整えるために、積極的に摂取したい栄養素は以下のとおりです。
大豆イソフラボン
豆腐や納豆などに多く含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンを整える効果が期待できます。
手軽に飲める豆乳もおすすめ。母乳の量を増やす効果もあります。
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ビタミンB6
ホルモンバランスを整えるのに欠かせないのがビタミンB6です。
ビタミンB6を多く含む食材は、バナナやマグロやカツオなどの魚やレバーなどです。
たんぱく質
体の細胞をつくるために必要なたんぱく質もホルモンバランスを整えるために必要な栄養素です。
鶏肉などの肉類や卵、魚などに含まれています。
これらの栄養をバランスよく摂ることで、ホルモンバランスが整うのをサポートします。
母乳育児をしているママは、質のよい母乳を作るためにも積極的に摂りたい栄養素です。
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適度な運動で身体を動かすこと
適度な運動は自律神経を活性化し、ホルモンバランスを整える効果があります。
赤ちゃんと一緒に近所を散歩して、外の空気を吸うと気分転換になりストレス解消につながります。
また家の中ではストレッチで体をほぐすのがいいでしょう。血流がよくなり、ストレス解消に効果的です。
最近では、赤ちゃんと一緒に参加できる親子ヨガ教室など、自治体などが主催している場合もありますので、うまく利用しましょう。
同じ境遇のママ友との交流も期待できます。
積極的に運動をし、体力を回復しホルモンバランスを整えましょう。
ストレスをためないこと
産後は慣れない育児や母乳育児への不安、睡眠不足などでストレスがたまりやすい時期です。
ストレスはホルモンバランスが乱れる原因になります。
どうしてもやる気がでない、気持ちがしんどいなと感じるときは、決してムリをせず、周りの人に手伝ってもらい、ストレスをためこまないようにしましょう。
できれば、赤ちゃんと離れて1人になれる時間を過ごすことも、育児ストレス解消に効果的です。
5分でも10分でもいいので、1人の時間を持つと精神的にリラックスでき、ストレス解消につながります。
そして旦那さんとコミュニケーションをとりながら、不安を吐き出し、ため込まないようにしましょう。
また家に閉じこもり、赤ちゃんと2人きりで過ごしていると、大人と話すことが少なくなり、今日は誰とも話してない。という状況になることもあるかもしれません。
そんなときは赤ちゃんと一緒に外出しましょう。公園や児童館などにいき、ママ友と交流することもおすすめです。
同じ境遇のママたちと悩みを共有することで、気持ちも前向きになります。
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漢方薬やサプリメントを服用するのもアリ
漢方薬は薬とは違い、授乳中でも服用が可能です。医師が処方する薬に比べると効き目はゆっくりですが、血行を良くし代謝を徐々に改善する効果が期待できます。
しかし、なかには母乳を通して赤ちゃんに影響を与える漢方薬もあるので、自己判断で服用するのは危険です。
あなたにあった漢方薬を処方してもらいたい場合は、婦人科などの医療機関や漢方を扱う薬局などで相談してみましょう。
そして、サプリメントを選ぶ場合は、授乳中でも飲めるオーガニックや上質なものを選びましょう。
また、サプリメントだけに頼らず、あくまでも、不足している栄養を補うということを重視し、過剰摂取には気をつけましょう。
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ツボを刺激するのも効果的
女性ホルモンのバランスを整えるツボをご紹介します。
いつでも手軽にできるので、思いついたらツボ押しを習慣にして、ホルモンバランスを整えてください。
水泉(すいせん)
むくみや生理不順に効果があるツボです。
内くるぶしとかかとの真ん中あたりにあるツボです。
足首を上下から包むようにして、親指をツボにあて押してもみます。
三陰交(さんいんこう)
体の冷えをとり、女性ホルモンの分泌を活発にしてくれます。
内くるぶしから手の指4本分ほど上の場所にあり、すねの骨の後ろにあるくぼみの部分です。
親指で少し痛みを感じる強さで押しもみます。
太谿(たいけい)
血行をよくして、自律神経を整え、女性ホルモンのバランスを整えてくれます。
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあります。
親指をツボに当て、3秒ほど抑えて離す、を繰り返します。
内分泌(ないぶんぴつ)
ホルモンバランスを整えるツボです。
耳の穴のくぼみの内側にあるツボです。
耳の裏に親指をあて、人指し指をツボにあて、押しましょう。
神道(しんどう)
精神的なストレスによる、ホルモンの分泌異常を整える作用があります。
背骨の上にあるわきの高さくらいの位置にあるツボです。
自分で押すのは難しい位置にあるので、人に押してもらうか、ゴルフボールの上に寝転がり刺激するなどの方法で押してください。
また、神道のツボのある周辺のゾーンを、ドライヤーで20~30cm離したところから1分くらい温める方法も効果があります。
産後のホルモンバランスが乱れる2つの原因

なぜ産後にホルモンバランスが乱れるのか?2つの原因を解説します。
女性ホルモンの増減によるもの
妊娠中は胎児の発育に必要なエストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが大量に分泌されます。
そして出産後はエストロゲンとプロゲステロンの分泌が急激に低下し、かわりに母乳をつくる働きのあるプロラクチンという女性ホルモンの分泌量が増え、母乳が生成されます。
これらの女性ホルモンの分泌量が増減することが、ホルモンバランスが乱れる原因になります。
育児ストレスによるもの
産後ゆっくり休む間もなく、慣れない育児に奮闘するママ。
夜中の授乳で睡眠も満足にとれず寝不足になり、産後の体の急激な変化などの育児による環境の変化でストレスがたまります。
ストレスがたまると、自律神経が乱れ、その結果ホルモンの分泌がうまくできず、ホルモンバランスが乱れる原因になります。
産後のホルモンバランスが乱れが原因で現れる5つの症状

ホルモンバランスが乱れると、さまざまな症状が現れます。ホルモンバランスが乱れることによるおもな症状は以下のとおりです。
肌荒れ
ホルモンバランスの乱れは、肌質を変化させ肌荒れを引き起こします。
妊娠前は肌トラブルとは無縁だったのに、産後の急な肌荒れに悩まされるママが増加します。
また、育児中はなかなかスキンケアをする時間をとれない方が多く、肌トラブルが悪化し、かゆみ、湿疹、アトピーなどの皮膚疾患に悩まされることもあります。
抜け毛
妊娠中に増加するエストロゲンは抜け毛を防ぐ効果があり、妊娠中は抜け毛が通常より少なくなります。
その後、産後にエストロゲンが低下することにより、妊娠中に抜けなかった髪の毛が一気に抜け始めます。
そこに慣れない育児でストレスがたまるとさらに抜け毛がひどくなり、ひどいときは円形脱毛症になることもあります。
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むくみ
ホルモンバランスの乱れは、自律神経に影響をおよぼし、血のめぐりが悪くなりむくみやすくなります。
また、授乳による睡眠不足もむくみを引き起こします。
生理不順
産後約8ヶ月で約7~8割の人が生理が再開します。
しかし、ホルモンバランスが整うまでは、生理周期が乱れたり遅れたりすることがあります。
イライラ、情緒不安定
ホルモンバランスの急激な変化に体がついていくことができず、情緒不安定になりいわゆる「マタニティブルー」という状態になります。
自分の感情がコントロールできずに、ちょっとしたことでイライラしたり落ち込んだりします。
産後のホルモンバランスの乱れはいつ頃からいつまで続く?
産後のホルモンバランスの乱れは、出産後すぐに訪れるケースがほとんどです。ただ、産後の育児に忙殺され、自分の体調のことを後回しにしている生活を送っていると、ホルモンバランスが乱れていたとしてもすぐに体の不調を感じない人もいるようです。
ただ、少なくとも3ヶ月ぐらいまでにはホルモンバランスの乱れによる体調不良が現れるようです。
また、ホルモンバランスの乱れが正常に整うまでの期間についても同様で、個人差があり一概には言えません。
まず、産褥期といわれる産後6~8週で子宮が妊娠前の大きさに戻ります。
そして産後約8ヶ月で生理が再開すると、徐々にホルモンバランスが整ってくるママが多いようです。
ママの体が妊娠前の状態に戻るのに、約1年から2年ほど時間を要します。
いずれにせよ、産後のホルモンバランスの乱れが整うには時間がかかりますので、この期間はムリは禁物。
「母親なんだから、がんばらないと」となんでも一人でこなそうとせずに、周りのサポートを借りながら、心や体に負担をかけないように心がけましょう。
まとめ
ホルモンバランスの乱れは個人差がありますが、産後約1年程度で自然に整ってくる方がほとんどです。
それにあわせて、体の不調も徐々に改善していきますので、あせらず気長に構えることが大事です。
妊娠・出産という大仕事を終えたママの体は、とても疲れています。
ホルモンバランスの変化はイライラしたり、涙が出たり、肌荒れなどの体の不調がひどくなる原因になります。
いまは、体を休める時期だと割り切って、ムリをせずにゆったりとした気持ちで毎日をすごしましょう。
そして、なるべく家にこもらずに、気分転換で適度な運動を行ったり、同じ境遇のママ友とコミュニケーションをとることで、ストレスを解消しましょう。
一人で全てをこなそうとムリをせず、周りのサポートを借りながら、自分のケアもしつつ、赤ちゃんとの生活を楽しんでください。
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