日焼け止めをこまめに塗っていても、首やデコルテ、手足の甲など日焼けして黒くなってしまい途方に暮れていませんか。
そんな時、いろんな種類の日焼け止めを試している方が多いようですが、その前に知っておきたいことがあります。
それは、「日焼けして肌が黒くなる主な原因は体質によるもの」ということです。
つまり、日焼け止めを見直すよりも、体質にあわせたUVケアを行うことで手軽に美白が実現できる可能性が高いのです。
そこでこのページでは、日焼けしたときに肌が黒くなる仕組みと原因、見直すべきUVケアなどについて詳細をまとめました。
「日焼け止めを塗っても黒くなる。でもどうやって紫外線対策をしたらいいかわからない」という場合は参考にしてみてください。
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日焼けしたときに肌が黒くなる仕組み
紫外線を浴びると、表皮(肌の表面)の基底層にあるメラノサイトが反応してメラニンが作られます。
そのため日焼けすると肌が黒くなるのです。
紫外線のなかでも波長が長く衣服を透過する紫外線A波がメラノサイトに届くと、チロシナーゼ活性酵素が生成されます。
このチロシナーゼ活性酵素はチロシンと結合するとメラニンとなります。
メラニンの黒色は紫外線を吸収するため、真皮(肌の奥)の細胞を外的刺激から守るバリアとなります。
つまり日焼けすると肌が黒くなるのは、紫外線に対する身体の防御反応の一種なのです。
メラニンは数日~数ヵ月間かけて増え、肌のターンオーバーとともに表皮にあらわれます。
日焼け後すぐに赤くなってヒリヒリする日焼け(サンバーン)と黒い日焼け(サンタン)にタイムラグがあるのはこのためです。
赤くなりやすい?黒くなりやすい?6つのスキンタイプ
肌の色は6つのスキンタイプに分類され、紫外線を浴びたときの反応がそれぞれ異なります。
詳細は上図のとおりです。
紫外線を浴びても肌が赤くなるだけで、黒くならない白人はスキンタイプⅠです。
逆に紫外線を吸収しやすい黒人はスキンタイプⅥです。
そして一般的な日本人はスキンタイプⅡ~Ⅳのいずれかに該当すると言われており、白人や黒人に比べると日焼けしたときの肌の反応については個人差が大きいです。
日焼け止めを塗っても黒くなってしまう場合はスキンタイプⅣである可能性が考えられます。
スキンタイプⅡと比べてスキンタイプⅣは黒くなりやすくイヤだと思うかもしれませんが、じつは光線防御力がとても強いので、紫外線が原因の傷害を発症しにくいという最大のメリットがあります。
肌が黒くならない白人の多くに皮膚がん患者が多いというのは有名な話ですよね。
原因は日焼け止めじゃない!見直すべきUVケア3つのポイント
スキンタイプによって紫外線を浴びたときの反応はまったく異なります。
つまりUVケアについてもそれぞれのタイプにあわせたものを行う必要があるということです。
特にスキンタイプⅣの場合は光線防御力が強い分メラニンが過剰に発生しやすいです。
そのため、
という場合は、日焼け止めを見直すよりも、肌の黒化の原因であるメラニンに焦点を当てたUVケアに力を入れるほうが効果的です。
そこで見直すべきUVケア3つのポイントについて、詳細をまとめました。
抗酸化力のあるビタミンCやリコピンをとり、活性酸素を除去する
ビタミンCやリコピン、ルテインなどの成分には、紫外線によって発生した活性酸素を除去する抗酸化作用があるので、積極的にとるようにしましょう。
活性酸素とは毒性の強い酸素のことで、最近の研究では、メラニンを増加させる原因となることが判明しました。
ポーラ研究所とディセンシアの調査では、活性酸素によりメラニンが約1.3倍増加することが報告されています。
また活性酸素の影響を受けたメラニンは、通常のメラニンと比べて色調が濃いことが特徴です。
つまり肌が黒くなりやすく、色素沈着を起こせば濃いシミになる恐れがあるということです。
そこでグァバやレモン、トマトなど抗酸化力が高い食物やサプリを積極的にとり、悪質なメラニンの発生を阻止しましょう。
ターンオーバーを活性化させ、できてしまったメラニンを落とす
紫外線を浴びることで作られたメラニンは、ターンオーバーによって肌の外側に向かって押し上げられ、最終的には垢となって剥がれ落ちます。
つまりターンオーバーを活性化させることは、肌をもとの状態に戻すことに繋がるのです。
ですがターンオーバーによる肌の再生サイクルは加齢とともに衰えます。
具体的には20代で約28日間だったものが、30代では約30日間、40代では約35日間かかるようになります。
ターンオーバーの速度が落ちるとメラニンが滞り、肌の黒化は戻らないばかりか、くすみやシミの原因になります。
そこで適度な運動やバランスの良い食事などターンオーバーを活性化する生活を心がけ、メラニンが肌に滞らないようにしましょう。
リラックスして、色素細胞のメラノサイトをこれ以上刺激しない
意外かもしれませんが、肌の黒化の原因であるメラニンの発生は紫外線だけが原因ではありません。
実はストレスによっても発生しているのです。
身体がストレスを感じるとaメラニン細胞刺激ホルモンが作られます。
aメラニン細胞刺激ホルモンは色素細胞のメラノサイトを活性化するため、その結果として大量のメラニンが作られるのです。
さらに強いストレスにさらされ続けるとメラニンは恒常的に作られ、やがて老人性色素斑となります。
家事と育児で忙しい子育てママは通常よりもストレスを感じやすい状況にあるのでとくに注意が必要です。
たまにはリラックスする時間を作るなどして、ストレス性のメラニンの発生を阻止するようつとめましょう。
放っておくと恐ろしい日焼けによる健康被害
紫外線にはさまざまな有害物質が含まれており、わたしたちの身体に傷害をもたらします。
大きく分けると、
- 急性障害(紫外線を浴びてすぐに発症する症状)
- 慢性障害(長年にわたって紫外線を浴びることであらわれる症状)
の2種類があります。
それぞれの特徴についてまとめたので、ご紹介します。
急性期の症状
紫外線の強いエネルギーが原因で起きるヒリヒリする真っ赤な日焼け(サンバーン)と呼ばれます。
火傷のような炎症が起こり、8時間から 24時間後にピークを迎えます。
その後2、3日で消えますが、重症の場合は水ぶくれとなって皮がむけます。
プールや海水浴など紫外線の強い場所で日焼けをした場合は、冷水タオルなどで冷やすと多少痛みが軽減されます。
また肌のほかに目が充血して紫外線角膜炎などを引き起こすことがあります。
いずれも症状がひどい場合には病院を受診するようにします。
慢性期の症状
長年にわたって紫外線を浴び続けることで、おもに肌と目に対してさまざまな障害があらわれます。
症状については次のとおりです。
- シミ、シワなどの老化現象
- 良性腫瘍
- 前がん症(日光角化症、悪性黒子)
- 皮膚ガン
目に対する傷害
- 白内障
- 翼状片
慢性障害の症状はいずれも急性障害と比べて悪くなっていく実感がないため、深刻化しやすいのが特徴です。
皮膚ガンが最も多いオーストラリアでは70歳の3人に2人が発症し、毎年1,900人前後が亡くなっています。
また日本でも患者数の多い白内障患者のうちおよそ2%が紫外線が原因で失明しています。
恐ろしいこれらの慢性障害ですが、じつはUVケアをすることで防ぐことが可能です。
20年後、30年後の健康と美容を守るためにもUVケアは抜かりなく行いたいですね。
「日焼けすると黒くなってしまう」人にオススメの日焼け止め対策
「日焼け止めを塗っても効かない」
このように紫外線に対する感受性が強い場合の日焼け対策には、飲む日焼け止めがオススメです。
飲む日焼け止めは高い抗酸化作用によって活性酸素を除去し、紫外線による肌ダメージを体内から防ぎます。
おもな効果としては、
- メラニンの発生を抑制し、肌が黒くなるのを防ぐ
- ターンオーバーを促し、すでにできてしまったシミやそばかすを薄める
- 美白効果がある(一部製品)
などヒリヒリする赤い日焼け(サンバーン)よりも黒い日焼け(サンタン)になりやすい場合に特に効果的です。
日焼け止めを使っているけれど効果がないという場合は併用することをオススメします。
すぐに効果が実感できるでしょう。
日焼けに関するQ&A
- 美白化粧水、乳液などは使ったほうがいいの?
- 日焼け止めを塗ると逆に焼けてしまうのはなぜ?
- 最高指数SPF50/++++の日焼け止めを使えば、日焼けしないの?
など日焼けに関して分からない・知りたいことが多いですよね。
そこで日焼け止めに関する疑問について、まとめました。
参考にしてみてください。
美白化粧水、乳液などは使ったほうがいいの?
日焼けすると肌が黒くなりやすいスキンタイプⅣに該当する場合は、使ったほうがいいです。
美白化粧水や乳液などの美白製品は、メラノサイトの働きを阻害することでメラニンが作られるのを阻止します。
そのためメラニンが作られやすいスキンタイプⅣの場合は、とくに効果があるでしょう。
ただしビタミンCやリコピンなどの抗酸化作用のある食物やサプリをとっている場合は、とくに使わなくても大丈夫です。
活性酸素を除去することでメラニンの生成を抑制する抗酸化物質と美白製品の働きはほぼ同じだからです。
美白製品か抗酸化物質のどちらか一方でいいので積極的にとりたいですね。
日焼け止めを塗ると逆に焼けてしまうのはなぜなの?
日焼け止めを塗ったことによるアレルギー反応で、焼けているように見えている可能性があります。
一般的な日焼け止めの成分には、紫外線を吸収する紫外線吸収剤と、紫外線を肌の上で反射させる紫外線散乱剤の2種類があります。
紫外線散乱剤に比べて紫外線吸収剤のほうが効果が高く、SPF/PA値の高い日焼け止めやウォータープルーフタイプの日焼け止めのほとんどに使われています。
ですが紫外線吸収剤は紫外線を吸収して熱エネルギーに変えるために肌の上で化学反応を起こしているため、刺激があります。
肌が弱かったり、アレルギー体質の場合は、かぶれたり発疹が出る可能性があるのです。
「日焼け止めを塗ると逆に焼けてしまう」という場合は、一度、日焼け止めの成分を見直してみることをオススメします。
最高指数SPF50/++++の日焼け止めを使えば、日焼けしないの?
最高指数SPF50/++++の日焼け止めを塗っても日焼けします。
なぜなら塗るタイプの日焼け止めは、水や汗で落ちたり、衣服でこすれたり、また塗り忘れるなどして完全に日焼けを防ぐことは不可能だからです。
また日焼けしたくないからと刺激の強い日焼け止めを使い続けることは、かえって肌トラブルを招く原因になります。
SPF/PA値が高い日焼け止めは効果は高いですが、紫外線吸収剤が肌の上で化学反応を起こすので、アレルギー性のかぶれや乾燥などを引き起こす可能性があるからです。
日常使いならば、SPF/20++で十分です。
プールや海など紫外線の強い場所に長時間行くときだけ、最高指数SPF50/++++の日焼け止めを使うようにしましょう。
万が一、それでも効果が感じられない場合は、飲む日焼け止めを併用するなどして対策を重ねてみましょう。
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まとめ
日焼け止めを塗っても黒くなってしまう場合は、紫外線に対する感受性が強く、メラニンが作られやすい体質である可能性が高いです。
そのため日焼け止めを見直すよりも、メラニンに焦点を当てたUVケアをするほうがより効果的です。
ポイントは、
- 活性酸素の除去
- ターンオーバーの活性化
- ストレスをためない
の3つです。
SPF/PA値の高い日焼け止めを多用して、肌を痛めつけような紫外線対策はもうやめましょう。
飲む日焼け止めなら、メラニンに対する抑制効果のほか、塗る日焼け止めとは違い肌に負担をかけずに全身のUVケアができるので、子育てに忙しいママにはとくにオススメです。
この夏は体質にあった適切なUVケアで美白を実現したいですね。
さっそく今日からはじめてみましょう。
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