金利が1%を下回る低金利の時に変動金利で住宅ローンを取得した方の中には、住宅ローン金利の上昇には敏感になります。
金利上昇に伴い返済額が増えてしまうと、今後の教育費や車のローンなど心配事は一気に増えてくるからです。
そして、金利上昇を一度気にしてしまうと、経済的な不安が頭の中から離れず、ずっと気になってしまうものです。
そこで「将来は、金利を気にした生活を送りたくない!」という理由から、固定金利への借り換えを進めている方はとても多いです。
しかし変動金利から固定金利への借り換えにはメリットだけではなく、注意点や借り換えのタイミングなど知っておかなければならないことや借り換え前にきちんと見直さなければならないことがたくさんあります。
そこで、この記事では、「変動金利から固定金利に借り換えを検討している方」に、事前に知っておくべき情報を全て解説します。
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変動金利から固定金利への借り換えた時の4つの注意点
まず変動金利から固定金利へ借り換えた場合に、知っておきたい4つの注意点をご説明します。
銀行のシュミレーションや銀行の説明、話し合いの前に予備知識として知っておくとスムーズに理解することができるでしょう。
月々の支払額が増える
変動金利の方が金利が安く、固定金利の方が金利が高くなります。
変動金利から固定金利へ借り換えをした場合は、当然金利に比例して月々の支払額は増えてしまいます。
銀行によって違いますが、固定金利の期間が長ければ長くなるほど金利は高くなる傾向にあります。
理由としては、固定金利になると金利の変動がないため先を見越した金利設定にしなければならないためです。
変動金利から固定金利への借り換えに伴い、月額1万から2万程度の上昇は覚悟しておいた方がよいでしょう。
借り換え手数料が必要
住宅ローンの借り換え全般に言えることですが、借り換え手数料がかかります。
銀行によって金額は違いますが、借り換え手数料がかかるのはほぼ間違いないと思っておいてよいでしょう。
通常は借り換え手数料が55万~80万程度と諸費用が1000万円ごとに20万と言われています。
きちんとした金額が知りたい場合は、借り換え先の銀行の返済シュミレーションを試してみてください。
シュミレーションにはほぼその銀行の借り換え手数料や今回借り換えにかかる諸費用が記載されています。
団信は借り換え先の銀行の団信に変わる
団体信用生命保険略して団信と言われる返済保証制度ですが、銀行によって違います。
住宅ローンの借り換えによって銀行が変われば、引継ぎなどは出来ないため、団信も入りなおさなければなりません。
団信にも加入時に審査がありますから、健康状態が悪くなっていれば加入できないこともあります。
加入できなければ別の収入保険に入ることを検討したり、借り換え先の銀行を変えたりしなくてはならない場合もあります。
可能であれば健康なうちに住宅ローンの借り換えをおすすめします。
借り換え先の銀行の審査が必要
住宅ローンの借り換えで一番注意しなければならないのは、希望の銀行の審査が通るかどうかということです。
借り換えであっても、住宅ローンを組みなおすということですので、借り換え先の銀行の審査を通過しなければなりません。
世帯収入の変化や転職などによって住宅ローンを新規で借りた時の状態と違う場合は注意が必要です。
万が一希望の銀行の審査が厳しい場合も、フラット35や銀行によっては審査が優しい場合もありますので、諦めずに相談してみましょう。
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変動金利から固定金利への借り換えた時の2つのメリット
変動金利から固定金利へ借り換えた場合の銀行が違っても金利タイプが違っても変わらない2つのメリットをご説明します。
子供が小さい方や今後の世帯収入の不安など、お金の心配がある方にはぜひおすすめしたいメリットです。
金利の変動がないため返済額が変わらず、将来設計が立てやすい
固定金利は金利が固定されているため、返済終了又契約期間中は返済額が変わりません。
返済額の増減を気にしなくて良いため、車のローンであったり、子供の教育費などの必要出費を計画的に用意することができます。
また貯金などもしやすく、突然の出費で焦ることもありません。
月々の支払い額が増えたとしても、結果総支払額は安くなっていたという場合ももちろんありますので、何が大切か何を優先すべきかを考えて将来設計を立てましょう。
固定金利へ借り換えるということは、安心安定を買うことと同等と思っていて良いでしょう。
未払い利息が発生しない
変動金利の住宅ローンの一番のリスクといっても過言ではないのが未払い利息です。
未払い利息とは、急激な金利の上昇に伴い返済額を利息が上回ってしまうことです。
未払い利息が発生してしまうと、返済中にもかかわらず、返済金額は増えてしまいます。
変動金利は5年ごとに返済額見直しを行いますが、次の返済額見直しの時に未払い利息分も住宅ローン残高に組み込まれます。
このように変動金利最大のリスクと言われる未払い利息が、固定金利に借り換えると発生することはありません。
変動金利から固定金利への借り換えを考える4つのタイミング
変動金利から固定金利へ借り換えを考えるベストなタイミングはあるのでしょうか?
ベストなタイミングというのは、実際に自分が借り換えたいと思った時ですが、借り換えを考え始めるべき、借り換えても損はしないと言えるタイミングはもちろんあります。
今から4つのタイミングをご説明しますので、自分は当てはまるのか当てはまらないのかを考えながら読んでみてください。
借入時よりも金利が0.3%以上下がっていたとき
新規で住宅ローンを契約した時の金利よりも、同じ商品の金利が0.3%以上下がっていた時は、どの商品であっても借り換え時だと言えます。
借り換え手数料や諸費用を考えても金利が下がった分を考慮すれば、借り換えを検討しても良い状態でしょう。
変動金利から固定金利へ借り換えればもちろん返済額は増えますが、新規で住宅ローンを契約した時の固定金利の設定金利に比べれば下がっているはずです。
一度変動金利で契約して返済していたからこそ、このベストなタイミングで 以前よりも安い固定金利で住宅ローンを契約できるのです。
残高が1,000万円以上、返済期間が10年以上残っているとき
残高が1000万円以上および返済期間が10年以上残っている場合も上記の金利が下がっていた時のように借り換えどきだと言えます。
残高が多ければ多いほど元本と利息の割合が大きくなっていますし、返済期間が長ければ長いほど利息が多くなっています。
特に返済期間はとても重要で、期間設定型の固定金利が10年から20年となっていますので、それ以上の期間がないとおそらく借り換えはできないでしょう。
借り換えでかかる一定の費用に関しては、1000万円あたり20万程度を目安に考えておくと良いようです。
金利上昇の気配があるとき
金利上昇の気配がある時は、変動金利の住宅ローンは要注意です。
返済金額の上限があったとしても上限いっぱいに上がってしまった場合は家計を圧迫することは間違いありません。
変動金利の住宅ローンの設定金利よりも、固定金利の住宅ローンの設定金利の方が早くあがってしまいますので、変動金利から固定金利へ借り換えを考えている方は、変動金利の住宅ローンの金利上昇後では遅いかもしれません。
金利上昇の気配を感じたら、すぐにでも固定金利への借り換えを考えるべきでしょう。
収入状況が変わってしまう前
転職や育休・産休などで収入や勤続年数が変わってしまう予定がある場合は、先に住宅ローンの借り換えを済ませてしまうのもひとつの手かもしれません。
しかし借り換え後にすぐ転職をしてしまったり、収入が減ってしまったりすれば、借り換え先の銀行からの印象は悪くなります。
ずっと付き合っていく銀行ですから、出来れば1〜2年余裕を持たせて転職を行う方が良いかもしれません。
転職も住宅ローンの借り換えも先を見据えて計画的に行うようにしましょう。
借り換え前にもう一度チェックしておくお金のこと2つ
変動金利から固定金利へ借り換えを行う場合、返済額が増えてしまう場合があります。
変動金利から固定金利への借り換えは、安定や将来設計のためにやむおえない選択ではあるのですが、借り換え後のことをきんちと考えておかないと、破綻してしまう可能性もあります。
借り換え後に破綻をしてしまわないために、もう一度きちんと家族で話し合っておくべきお金に関することをご紹介します。
家計の内訳をもう一度チェック
借り換えに伴って今一度家計の内訳をチェックしてみましょう。
住宅ローンを契約した時に比べて、家計の内訳も変わってきたのではないでしょうか。
一般的には光熱費や通信費、教育費などの増加傾向が強いようです。
それに伴い、被服費、娯楽費、小遣いなどで調整を取っている家庭が多いようですが、いかがですか?
借り換えを良い機会として減らせるものはきっちり減らして、必要経費を考えてみて大丈夫だと思えるならば借り換えを真剣に考えてみましょう。
生命保険の内容をもう一度チェック
もう一つ住宅ローンの借り換えの際に見直した方がよいのは、現在加入中の生命保険です。
住宅ローンの銀行を変えれば、団体信用生命保険も変わります。
借り換え先の銀行の団信の内容をきちんと把握し、現在加入中の生命保険の内容と照らし合わせてみましょう。
がん保険などが付いてくる団信もありますし、銀行によって色々なバリエーションがあります。
団信に付いてくる保険が十分であれば、わざわざ自分で保険を加入しておく必要はありません。
また住宅ローンの借り換えをきっかけに生命保険を見直せば、無駄を見つけられて大幅な出費軽減を実現できるかもしれません。
まとめ
変動金利から固定金利への借り換えを行う場合、きちんとメリットとデメリットを知り、自分の現在の生活や経済状況と照らし合わせてから決断してください。
勢いだけで決断してしまうと、後悔することになってしまうかもしれません。
しかし金利的には借り換えの良いタイミングであることは間違いないので、このタイミングを逃すことなく検討してみてください。