この記事では、専業主婦の方でも書類選考の通過率がグッと上がる履歴書の書き方を実例付きで紹介しています。
さて、
- 「子育てが落ち着いたから社会復帰したいけど、就職先が決まらない」
- 「子供が小さいうちに転職したいのに、転職先が決まらない」
上記のような悩み抱えている主婦ってとっても多いのが実情のようです。
確かに、小さな子供がいる方やブランクの長い方の転職ハードルが高いのは間違いない事実です。実際に履歴書を送ってすぐ不採用通知がくるのを数回繰り返して「やっぱり無理だ」と諦めてしまう方も少なくありません。
でも、履歴書や職務経歴書などの応募書類をしっかり作りこめば、たとえ小さな子供やブランクがあろうと転職・再就職することは可能です。
ポイントは、「企業が欲しいと思わせる履歴書を作れるかどうか」です。
では、どうすれば「企業が欲しいと思わせる履歴書」を作ることができるのでしょうか。
そのためには、選考で落とされてしまう主な理由を理解した上で対策をする必要があります。
そこで、今回は採用されやすい主婦の履歴書の書き方をご紹介します。まずは、この記事を読みながら自分の履歴書を見直すところから始めてみてください。
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子育て中の主婦・専業主婦の書類選考率が低い2つの理由
- 子育て中のであることがわかると苦笑いされた
- 「お子さんが急に熱を出したらどうしますか?」と質問された
- ブランクの長さから、仕事があまり好きじゃないのか、と遠回しに聞かれた
上記のように、転職・再就職をするために活動をしている多くの主婦は、採用担当者にあまり歓迎されていないと感じる態度を取られた経験があります。
子育て中の主婦やブランクが長い主婦というだけで採用担当者の見る目が変わりますが、ネガティブなイメージを払拭するアピールをすることで、特別な能力やスキルを持っていない主婦の方でも転職に成功しています。
まずは、どんな所をネガティブに見られてしまうのか、どう対策すればよいのかをお話します。
子供を理由にした遅刻・欠勤・早退・残業拒否をすると思われている
残念ながら、『人手が足りていない状況だから、子供に何かあったら即仕事に穴を開ける人を採用するのは避けたい』という考えから小さな子育て中の女性を敬遠する企業が多いのが実情です。
そのため、過去の経験や能力の高さより「子供になにかあっても安易に休まず仕事をする」という意志をアピールできるかどうかが重要です。
よくある質問
- 履歴書には、小さな子供がいると書いた方が良いですか?
- 子供が小さいので、突然の早退・欠勤等でご迷惑をお掛けすることがあると思います。と書いたのですが、これがいけなかたのでしょうか?
「小さな子供がいる」と書くなら、『会社に迷惑をかけない』という意志も一緒に書きましょう。
決して、子供に何かあったときに真っ先に会社を休むつもりでいてはいけませんよ。

ブランクによって会社員意識が薄く主婦感覚が強いと思われているため
履歴書上では、専業主婦として育児に専念する期間を【空白期間(ブランク)】として見ます。
このブランクが長ければ長いほど社会性が低下し、主婦感覚が強くなる傾向があるので、どの企業もブランクの長い主婦の採用は慎重です。
ここでいう主婦感とは、責任感やプロ意識、謙虚さが薄いことを指します。スーパーやコンビニなどで働く主婦の方が、ヒマな時間帯にパート仲間や知り合いのお客さんとおしゃべりしているシーンをよく見かけると思います。
これが先ほど言った主婦感覚そのもので、「ヒマだから」「少しくらいならいいでしょ」といった自分本位の考えから出る行動です。
採用する側としてはそういった主婦感覚を強く持っている人を避けたいので、履歴書や面接を通して、あなたがどれだけ主婦感覚を強く持っているのかを知りたがります。
ですから、応募書類は主婦感覚が強いと思われないために細心の注意を払う必要があります。
具体的な例
- しっかりと考えたキャリアプランを伝える(向上心のアピール)
- 子供を理由に会社を休まないための対策をしていることを伝える
- 即戦力になるといった自信のある態度を見せる
- 家庭の事情や待遇面などは控える

印象が良くなる主婦の志望動機の要点2つ
採用担当者はあなたの言葉からあなたがどんな人かを判断するので、不安な様子が見えると、どんなに条件や要望にマッチしていても採用を躊躇してしまいます。
「この人なら仕事を任せても大丈夫」と思わせるために、例え不安を抱えていても自信たっぷりに自分をアピールしてください。
また事務職の役割について『サポート役として』という言葉使うと、採用担当者によっては「事務職に対するプロ意識が薄く、頼りない」と見られてしまいます。
『書類やデータを正確に保管し、報告することが仕事なので、絶対にミスがあってはならない重要な役割』という考え方の方でいきましょう。
志望動機の例文を参考にしないこと【重要】
- 履歴書を書くのが久しぶりで何を書いて良いかわからない
- 何度も書類選考に落ちているから、自分の志望動機に自信がない
上記のように志望動機の文章作りに悩む方の多くは、ネットで紹介されている例文をつぎはぎして志望動機を完成させてしまいます。
もし、あなたも志望動機に行き詰って、ネットで紹介されている例文を参考に志望動機を書こうとしているなら直にやめてください!それこそ意味ないです。
例文のつぎはぎや言い回しを少し変えて、見栄えのよい文章が作れたとしても、同じように例文を参考にした大勢と似たり寄ったりの内容が出来上がってしまいます。
似たり寄ったりの履歴書を採用担当者が見たら、「みんな同じことばかり言っている」と思うのは当然のことです。
皆同じに見える状況で採用を決めるなら選ばれるのは下記に該当する人です。
- 応募者の中で一番能力やスキルが高い人
- 社風や職場の雰囲気にあった人
- 印象が良かった人
- 今後の成長に期待できる若い人
消去法で最初に選ばれるのは子育て中のやブランクのある主婦です。これではいつまで経っても転職・再就職ができません。
だからこそ、しっかりあなたの個性を出して、採用担当者に「あなたにお願いしたい!」とわせなければいけません。
自分が会社の求める人材にマッチしていることをアピールする
多くの主婦の方が書く志望動機のNG例
- 社会復帰したい
- 再チャレンジしたい
- キャリアを積んでいきたい
これらは働く理由なので、「どうしてわが社を志望しているのか」という企業側の質問の答えにはなっていません。
志望動機に必要なこと
- なぜその企業を選んだのか
- どんな経験を活かして、どんな風に仕事がしたいのか
企業の求めている働きとあなたの希望がマッチしていることをアピールするのが採用されやすい志望動機です。
また、志望動機と併せて『なぜ社会復帰したいのか、何に再チャレンジしたいのか、どのようにキャリアを積んでいきたいのか』など働く理由も具体的に伝えると良いアピールになります。
志望動機作りの基本は、求人から企業と自分の要望がマッチする部分を探すことです。どの求人も『どんな人材を求めているのか』を掲載しているので難しくありません。
さらに、業種・事業内容、社員の平均年齢、部署の構成、業務内容、応募資格から不可などを見てプラスアルファの情報を加味して、アピールポイントを定めます。
どの企業にも当てはまる志望動機だと他の応募者に負けてしまうので、必ず志望動機は応募する企業ごとに書き直しましょう。

採用されやすい自己PR作りに必要な3つのポイント
小さな子供のいる主婦の方はどうしてもネガティブに見られがちです。
たしかに、主婦業に専念していた期間の職歴は空白になりますが、その間何もしていないわけではありません。
主婦業で得たものをアピールすることもできるのに、仕事に直接関係していないからとアピールをしない方が多く、とても勿体ないです。
今まで経験したことはすべてあなたの強みになるので、ぜひ『何を得たか』考えてください。
前職での経験、主婦業の経験、あなたの人柄などをじっくり振り返ると、必ずアピールできるポイントがあなたの中にあります。

ブランクによるマイナス評価を回避する
ブランク期間が長ければ長いほどマイナス評価を受けるので、ブランク期間を逆手に取り、上手にアピールする必要があります。
もちろん、主婦業も立派な仕事ですので一生懸命してきたことを中心にアピールしていきましょう。まず、主婦業で得たものは何か考えます。
具体的な例
- 体力がつき、忍耐強くなった
- 些細な変化にも気が付く観察力がついた
- ママ友やご近所との付き合いが得意になった
- Excelでお金の管理を徹底するようになった
- 1日のスケジュール管理を見直して生産性と効率を高めた
特に、事務職の求人はPCスキルの高い人を求めているので「パソコンが得意です」と言う人よりも「家計簿はExcelで管理しています」という人の方が好まれます。
このように、主婦業で磨いたスキルが今後の仕事に活かせる部分のアピールを積極的にしましょう。
さらに、どんなキャリアプランを立てているのか具体的に話せると良いです。
「退職する時に〇年後、社会復帰すると決めていました」「社会復帰後は、年次決算の他に税務申告や会計監査の対応なども一通りできるようにします」などのように計画性や向上心の高さをアピールできると自己PRの完成度があがります。
履歴書に書ける資格とアピールに使える資格を使い分ける
簿記2級は経理職に就くために必須なので履歴書に書ける資格ですが、残念ながらアピールできる資格ではありません。
そのため、簿記以外の資格でアピールしていく必要があります。
簿記2級以外の資格を持っていない方は、これから仕事に役立つ資格を取得しましょう。履歴書の資格欄には「(資格名) 〇月受験予定』と書いてください。
キャリアプランを会計・財務で考えている方は、スキルレベルを客観的かつ信頼性をもって測定するのに高い評価を受けている『FASS(経理・財務スキル検定)』がおすすめです。
経理・総務など幅広い業務を担当したい方は『給与計算実務能力検定』がおすすめです。
給与計算は一般的に総務の仕事ですので、総務が未経験でもこの資格を取得すれば、【経理・総務】の求人に採用されやすくなります。
キャリアプラン関係なく共通して有効な資格は『BATIC(国際会計検定)』『TOEIC』など英語に関係した資格です。
「英語ができるようになりたい」という願望が少しでもあるなら、今から勉強を始めれば自己PRに書くことができるので、ぜひチャレンジしてください。

個性を出す
事務職は色々な人と関わることが多いので、スキルの高さと同じぐらいコミュニケーション能力をはじめとした人柄を重視されます。
趣味の欄を活用して人柄のアピールをします。
ここに記入する趣味は「音楽鑑賞」「旅行」などのありきたりものを避けてください。できるだけ職種に合った趣味や人と協力して行う趣味、少しマニアックな趣味などの中から選びましょう。
記載を控えたほうが良い趣味の例
- 音楽鑑賞、旅行などのありきたりな趣味
- ギャンブル系の趣味
- 宗教に関係する趣味
- 一人旅など、一人行動が好き(集団行動が嫌い)と思われる趣味
経理職にあった趣味は、所帯のキャッシュフロー計算書作り、株投資、アクセサリー作り、DIY、家庭菜園などがあります。「数字に強い」「コツコツと地味な作業が得意」と思われるような趣味がよいです。ただ、嘘をついてはいけないので、自分の趣味の範囲内で選んでください。
趣味欄に趣味名を書くだけでは、上手なアピールとは言えませんので、具体的な説明文が必要です。

今更聞けない職歴・職務経歴書の書き方
履歴書に記入する職歴と職務経歴書には大きな違いがあります。履歴書の職歴は簡易的な経歴を見るだけなので、頻繁に転職を繰り返している、1社ごとの勤続年数が異様に短いなどの問題がなければ、採用選考に影響がありません。
採用選考の判断材料になるのは、今までの経験や実力を伝える職務経歴書の方です。
20代は経験よりも熱意で採用が決まりやすいですが、30代以降の転職・再就職は、面接で志望動機を聞かれないこともある程、熱意ではなく即戦力になるかどうかが判断材料になります。
とても重要な書類なので時間をかけて、完成度の高い職務経歴書を作りましょう。
職歴
履歴書の職歴でチェックされる3つのポイント
- 応募した職種にどの程度関連していたのか
- 今までの勤務年数
- 転職の回数・頻度
退職理由を『一身上の都合により』と書くのが一般的ですが、書けるのであれば『契約期間満了』など具体的な退職理由を書いた方が好印象です。
また、社名を省略するのは失礼にあたるので、退職を記入する際も社名は省略せずに書いてください。
勤めていた会社名を忘れてしまった場合は、社会保険事務所を訪ねる、もしくは、年金ダイヤル【0570-05-1165】に電話をかけて調べることができます。
職務経歴書
職務経歴書には、履歴書のように決まったテンプレートはありません。
購入した履歴書に同封されている職務経歴書、もしくはネットで無料ダウンロードできるテンプレートの中から書きやすいと思うもので作成してください。
比較的書きやすいのは職歴と同じように『年・月・職務内容』の3列のシンプルな構成の職務経歴書です。
求人に記載されている業務内容や業種と関連性の高い職務経歴を具体的に書きます。関連の低い職務内容は、採用担当者の興味・関心を引くことができないので、思い切ってシンプルに書きましょう。
そうすることで、アピールしたい部分をしっかり伝えることができます。
企業ごとに求めているスキルや能力が異なるので、内容は企業に合わせて修正した方が良いです。
職務経歴書に書くこと
- 会社名
- 資本金
- 従業員数
- 業種
- 職務内容
- 具体的な数字が出せる実績
能力の高さをしっかり伝えることが重要です。職務経歴書は自分を採用担当者にアピールするための重要な書類ですので少なすぎてはアピールしきれません。
逆に多すぎても「結局何が言いたいのかわからない」「要点をまとめる能力がない」と思われて、最後まで読んでもらえない可能性が高いです。
そのため、この職務経歴書はA4の用紙2枚でまとめてください。
まとめ
主婦の転職・再就職は意気込みで成功するほどハードルは低くありません。
ですが、どうすれば採用されるかを採用担当者の視点から考えることで、着実にゴールへ近づいていくことができます。
主婦は、小さな子供やブランクなどネガティブ見られてしまう要素があるので、それぞれ対策が必要です。
『早く仕事を見つけたい』といった焦りから「時間をかけずにパッと応募書類を作りたい!」と思うかもしれません。
ですが、丁寧に時間をかけて作った方が絶対に書類選考の通過率が高くなります。焦らず完成度にこだわったほうが結果的に早く仕事が決まりますよ。

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